50代にしてパートの傍ら宅録ナレーターに挑戦。5日間の講座受講、機材選び、クラウドワークスへの応募と結果、そして一人での作品作りまで、リアルな体験を綴っています。
はじめに なぜ宅録ナレーターに興味を持ったかというと
私はいま、週に2回ほどパートに出ているのですが、空いている時間に在宅でできる副業を探していました。
キャリアアドバイザーの方と面談する機会があり、そのときに私がパートでやっている音声録音の仕事も立派なスキルだというお話を頂きました。
私自身は、50代という年齢のこともあり、声の仕事は難しいだろうと思い、ほかの分野の仕事を考えていました。
ですが、お話を聞いてみて、確かにほかの全くの素人の方よりは、少しはできるかもしれない、何かやってみようかな、と思い始めました。
宅録自体は、コロナのころにやった経験はあるのですが、当時は独学で、本格的な機材は揃っていなかったので、ネットで調べてなるべく低予算で質の良いものを選びました(のちほど画像付きでご紹介します)。
録音ソフトも無料のものの中では、「Audacity(オーダシティ)」が良さそうだったので、使い方をyoutubeで学び、録音の練習をしていました。
そんなころ、宅録ナレーターの活動もなさっている森野燿子先生(モヨ先生)からLINEで講座の案内が届きました。
「5日間で作る!BGM付きナレーション制作講座」です。
すべてオンラインですが、この講座を受講すると、初心者でもBGMを付けたナレーションが録音、制作できるとのこと。課題提出もあり、知識を学ぶだけではなく実際に手を動かして完成させる構成になっていました。アーカイブもあります。
一般クラスは夜の1時間×5日間。
WEB上で講師の先生と直接やりとりできるVIPクラスはプラス1時間で、2時間×5日間。
受講料は破格のお値段でした。
当時、自分ひとりでクライアントの案件を受注することに大きな不安があり、また機器の操作の疑問もありました。それらが解消されそうです。さっそくVIPコースで申し込むことにしました。
*本講座前の導入講座です。コースと料金設定は現在のものと異なる場合があります。
5日間の宅録ナレーター講座を受講した感想
4月半ば、5日間の講座がスタートしました。
家族にも事情を話して早めに家事を切り上げ、ワクワクしながら画面に向かいました。
オンラインでのリアルタイム受講で、zoomを利用しましたが、チャットワークでのやり取りもあります。
私が無知だったのですが、そもそも「宅録ナレーター」としてお仕事をするには、「自分はこういう声でこんな風に読めますよ」という見本(ポートフォリオ)を用意しなければいけないんですよね。
それが、この5日間で作れるようになる、ということです。
講座の内容をここでお話することはできませんが、実際に宅録ナレーターとして活動されている先生や、教え子の方々の実体験はとても興味深く、勉強になることばかりでした。
しかもVIPクラスではQ&Aができるので、個人的な質問もすることができましたし、それに対して具体的で詳細な回答を頂けました。ほかの受講生への回答が聞けるのも良かったです。
そして、私自身のやりたいこと、目標も見つかってきました。
以前から興味のあった、ドキュメンタリー系のナレーションをやってみたい。青空文庫朗読コンテストというのも面白そうだなと思いました。
さらに無料編集ソフトを使って実際に録音・編集、BGMを付ける作業では、ソフトの説明から簡単な操作の仕方まで細かく指導して下さいました。「そうそう!youtubeではここがわからなかったの!」というところも解決できて、本当にありがたかったです。
そして、一番大切な「これから声のお仕事をどうやって見つけていくか」という実践的なお話では、ほかでは知りようがなかった情報をたくさん教えていただけました。
5日間を通して感じたのは、技術的なことよりも「続けていく覚悟」のようなものの方が大事なのかもしれない、ということでした。これから案件に挑戦していく上での、自分なりの心構えになった気がします。
私が宅録で使用している機材・資料
機材についてはプロではないので、詳しい方から見ると物足りない部分もあるかもしれませんが、ネットで調べながら、なるべく低予算で揃えたものをご紹介します(値段は購入時のものです)。
マイク
marants MPM-2000U オーディオインターフェイス内蔵コンデンサーマイク(6,999円)
オーディオインターフェイスは高いので、内蔵されているマイクで音質が良いと言われているものにしました。
USBでパソコンにつなげば録音できます。


マイクスタンド(マイクアーム)とポップガード
KTSOUL マイクスタンド卓上 マイクアーム スタンド コンデンサーマイク用 マイククリップホルダー 収納袋付き ポップガード付き (2,682円)←お値段のわりにたくさんの付属品がありお得感があります。
卓上に置くマイクにしようかと、色々悩んだのですが、マイクスタンドがテーブルの上にあると、パソコンや原稿など物が増えるので、マイクアーム式にしました。マイクアームのホルダーを天井の棚の部分に挟み、上から吊り下げる形にしています。
ただ、使ってみるとアームの曲がる部分が思った方向にうまく調節できなかったり、重みで動いてしまったりするので、スタンドにした方が良かったかもしれません。
ポップガードは金属のものが欲しかったのですが、このセットの中に入っていてお得だったので、これで済ませることにしました。マイクアームに挟んでいます。
ポップガードは雑音や口中音を防ぐのに必要です。ポップガード無しでも読んでみましたが、あった方が断然きれいに、クリアに聞こえました。
画像の奥に見えるのは、原稿を置くのに使っている譜面台です。以前演奏で使っていたものを利用してみました。




パソコンは以前から使っていたdynabook P2-M6VB-EL (intel core i5 8ギガバイト)、
録音編集ソフトはAudacity(無料)です。
宅録する場所
録音する環境も大切です。自分の声が反響したり、クーラーの音や外の音が入ることがあります。
私は、宅録ナレーター講座を受けるのを機に、部屋の狭いクローゼットの一部を宅録ブースにしました。

壁には100均で購入したプチプチシートを貼ったり、布をかけたりしています。
(どれほどの効果があるかわかりませんが)
机はぴったりになるように、夫が家にある材料で作ってくれたので費用をかけずに済みました。
机の突き出している部分はマウスを置くところです。
ここではパソコンが映っていませんが、テーブルにパソコンを置いて、マイクのUSBを接続して、ドアを閉めて録音します。
真っ暗になってしまうので、3,000円ほどでクリップ式のライトを買って天井の棚に挟んで照らしています。
テーブルのパソコンを操作して、譜面台の原稿を読んで、ということを狭いクローゼットの中で続けるのはなかなか至難の業です。
でも、とりあえず専用の場所があるのはありがたいことです。
ほかに使っているのは、
NHK日本語発音アクセント新辞典(5,500円)
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「NHKが放送現場で使用する最新のアクセントを収録する『NHK日本語発音アクセント辞典 新版』が、18年ぶりに大改訂。見出し語は6000語増の約7万5000語。使用頻度の高い地名のアクセントも充実させた。変わりゆく日本語の発音・アクセントを的確に捉えた必携版!」(amazonの説明より)
まだそれほど使う機会はありませんが、以前、音訳の原稿を読んでいた時にはよく利用していました。
文章を読むお仕事をする上では必須ですが、案件によるかもしれません。
なかなか高価なので、メルカリなどで中古や古い版を安く手に入れられればそれでも良いと思います。

この辞典にはスマホアプリもあります。
運よくセールだったので、こちらも購入しました。
5,500円が3,900円でした。
このアプリの最大の売りは、NHKのアナウンサーによる10万以上のアクセント音声を収録しているところです。
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Apple storeの場合は、検索しても見つからなかったのですが、「辞書by物書堂」から入ったら購入できました。
こうしてみると、結構な額を投資してますね💦
クラウドワークスに登録するまでも大変だった
さて、5日間の講座が終わり、機材も一通り揃っていたので、さっそく、初心者でも受注の可能性が高い、クラウドワークスに登録することにしました。
クラウドワークスは、仕事を依頼したい企業や個人(クライアント)と、仕事を受けたい個人(ワーカー)をインターネット上でつなぐ日本最大級のクラウドソーシングサービスです。
でも、すぐに始められたわけではありません。まず、活動名を決めるのも一苦労でした。
自分のイメージとかけ離れていない、年齢相応の、ちゃんと姓・名があるもの。
その名前で呼ばれたい、と思うもの。
ネットでできる姓名判断は色々やってみました。
どうしても完璧なものは見つからず、最終的には自分の感覚に従いました。
決定した活動名は、「藤野あゆみ」。
「あゆみさん」はアナウンサーにもいらっしゃるので、その方たちにあやかってという気持ちもちょっとありました。
検索すると、同じ名前の有名な方はいらっしゃるのですが、あまり奇抜な名前にしたくない、という思いもあったので良しとしました(その代わりというか、ブログ名は「あゆみ子」という絶対ないだろうという名前にしました)。
そして、プロフィール画像も必要です。いくつかAIに頼んで作ってもらいましたが、どうも違和感があったので、今はCanvaで探してきた小鳥のイラストです。



そして、大切な「ポートフォリオ」です。5日間の講座で学んだことを生かして、いくつか作りました。
それから、自己紹介文を考え、使用している機材などを調べ、ようやく登録が完了しました。
クラウドワークスに応募した結果
登録を終え、さっそく気になる案件にいくつか応募してみることにしました。
3日間で計4件、案件のテーマに合わせてボイスサンプルを作り、添付して送りました。
企業研修、医療系ナレーション、スピリチュアル、低音の落ち着いた声、などです。
台本は、30秒から1分半くらいでAIに作ってもらったものを土台にしました。
スマホに通知が来るたびに、思わず飛びついてしまいます。
でも、期限を過ぎても採用の連絡はありませんでした。
そもそもクラウドワークスで仕事をした経験がなかったので、応募の要領自体がよくわかっていませんでした。
募集がかかったら、早めに応募したほうが良いらしい。
期間内にどんどん決まっていくものもあれば、期限後にしばらくしてから連絡が来ることもある。
なので、1週間くらいは気にしておいたほうが良さそう。
こういったことを今回初めて知りました。
応募の際には、他の応募者のプロフィールを見ることができるのですが、見れば見るほど気が遠くなりました。
元アナウンサー、声優養成学校出身、様々な声を使い分けられる方など、経歴を見るだけで圧倒されてしまいます。
私も一応、声に関わる仕事はしていますが、こうした方々と競うのは簡単なことではなさそうだと感じました。クラウドワークスでの実績も、全くまだ何もない状態ですから。
たった4件応募して採用されなかっただけなのに、気持ちがしゅんとなってしまいました。
まるで「あなたの価値はこんなものですよ」と言われたような気がして。
安くても経験を積むために受けたほうがいいのだろうとは思うものの、応募者が何十人もいて採用は1人か2人という案件も多く、そこに受かる自信もなかなか持てませんでした。
自分から案件を探しに行って、来るか来ないかをじっと待つというのは、思っていた以上に精神的にこたえるものでした。
一人でどこまでできるか、やってみることにした
案件に応募して結果が出なかったこともあり、いったん「仕事を取りに行く」ことから離れて、まずは自分だけでどれくらいのことができるのか、試してみることにしました。
AIと相談しながら絵本の台本を作り、読み上げて録音し、編集する。
そんな一連の流れを、自分の手だけでやってみることにしたのです。
ポートフォリオや応募用のサンプルボイスの台本は短いものだったので、AIが作ってくれたものそのままでほとんど問題ありませんでした。
でも絵本の台本作りは、思っていた以上に大変な作業でした。
AIに頼むと一見良さそうなものがすぐに出てくるのですが、下読みをしていくうちに「あれ、ここ矛盾していない?」「同じ言葉ばかり使っているな」と気になる箇所がいくつも出てきます。
初めての今回の作品は動物を数種類登場させたのですが、「仲よしのこの子たちって、もしかして捕食関係にあったりしない?」とAIに聞いてみると、きちんと答えてくれて、代わりの案まで提案してくれました。
AIの言うことは鵜呑みにせず、一応自分でも調べています。
でもこういう「壁打ち」をすることで台本がこなれて良いものになっていくので、本当に助かりました。
ちなみに、私がメインで使っているAIはClaudeで、無料版です。
一方で、私自身の問題にも気づきました。
セリフの読み分けです。
声優を目指していたわけでもなく、声真似が得意なわけでもない私にとって、3種類の動物+地の文まで含めて4種類を読み分けるのは、想像以上に難しい挑戦でした。
自分で台本を作っておきながら、「これは大変なことを始めてしまったかもしれない」と後悔しました。次に作るときは、セリフなしのシンプルな形から試してみようと思います。
編集ソフトは、講座でも使ったAudacityを引き続き使いました。
最低限のことはできるようになっていましたが、実際にお仕事として引き受けるには、まだまだ練習が必要だと感じました。
まずは音声だけの状態でSpotifyに投稿してみました。
そして、その数日後、今度はYouTube用の動画作りに挑戦しました。
初めての投稿だったのでチャンネル自体の開設から、バナーやアイコン作りまで一通り行い、音声にBGMを重ね、画像や字幕を付けました。
完成した瞬間は、以前Kindle本や家系図を完成させたときに次ぐ、大きな達成感がありました。
改めて聞き返すと、編集中には気づかなかった雑音や、声の読み分けの不安定さなど、直したい点もいろいろ見つかりましたが、続けていく中で少しずつ改善していけたらいいなと思っています。
その後、2作品目にも取り組みました。字幕は自動生成できるものの、その修正に思いのほか時間がかかることも実感しました。それでも、形になっていく過程そのものが楽しくて、時間を忘れて作業してしまいました。
自分で創造したものを発表していくというのは好きだし向いているかもしれないなあと思いました。
収益化できるかというのは別問題ですが。
そして、お金を(あまり)かけずに、ここまでのことができてしまう時代なのだと、あらためて実感しました。
機材を揃えるのには少し費用がかかりましたが、音声録音・編集のソフトのAudacityに始まり、youtube、spotify、台本作成、画像やイラストの作成、字幕自動生成など利用したものは無料のものばかりです。
youtubeなどでハウツーを探せば山ほど出てきますから、独学でもかなりのことはできそうです。
ただ、5日間の講座を受けたことで私が前に進むことができたことは間違いありません。
同じように学び頑張っている同志がいることも、とても励みになりました。
今の私にとって、宅録でお仕事を得ることは険しい道のりですが、私自身がやっていて「楽しい!」と思えることのひとつなので、今後も少しずつでも上達していくように続けていきたいと思います。

